2023.09.30

猫背改善にピラティスは効果的?原因と直し方を理学療法士が解説

猫背改善にピラティスが効果的とされる理由と直し方を理学療法士が解説

「猫背を直したいけれど、気づくとまた背中が丸まっている」という悩みは、意志の弱さではなく、体の使い方のクセと筋肉のアンバランスが原因です。結論から言うと、ピラティスは猫背の原因である胸椎の硬さ・インナーマッスルの弱さ・呼吸の浅さにまとめてアプローチできるため、猫背改善に適した運動のひとつとされています。この記事では、猫背のタイプ別セルフチェックから改善までの期間の目安まで、理学療法士監修で解説します。

猫背とは?4つのタイプとセルフチェック

猫背をつくる背中の丸まり・ストレートネック・巻き肩・骨盤後傾の4つの要素

猫背とは、単に「背中が丸い」状態だけを指すのではありません。実際には次の4つの要素が組み合わさって起こります。

  • 背中の丸まり(胸椎後弯の増強):背中の上部が過度に丸くなった状態
  • ストレートネック:首が前に出て、本来ある首の反り(頸椎前弯)が失われた状態
  • 巻き肩:肩が前方に入り込み、胸が閉じた状態
  • 骨盤の後傾:骨盤が後ろに倒れ、腰の反りが失われた状態

どのタイプが強いかは人によって異なり、複数が重なっているケースがほとんどです。

壁を使ったセルフチェック法

壁にかかと・お尻・背中をつけて自然に立ってみてください。このとき、後頭部が壁につかない、または顎を上げないとつかない場合は、頭が前に出ている(ストレートネック傾向)サインです。また、腰と壁の隙間に手のひらがまったく入らない場合は骨盤後傾タイプ、逆に手のひら2枚分以上の大きな隙間がある場合は反り腰の可能性があります。ご自身のタイプを把握することが、改善の第一歩です。

猫背になる主な原因

猫背の主な原因は、長時間の同一姿勢と、姿勢を支える筋肉のアンバランスです。具体的には次のような生活習慣が積み重なって起こります。

  • 長時間のデスクワークで画面をのぞき込む姿勢が続く
  • スマートフォンを見るときにうつむく時間が長い
  • 背骨を支えるインナーマッスル(体の深層にある筋肉)の筋力低下
  • 胸の前側の筋肉が縮んで硬くなり、肩甲骨まわりの筋肉が引き伸ばされて弱くなる

重要なのは、猫背は「一時的に背筋を伸ばす」だけでは戻ってしまうという点です。丸まった姿勢が長く続くと、体がその姿勢を「普通」として覚えてしまうため、根本的な改善には筋肉と体の使い方の両方へのアプローチが必要になります。

猫背が引き起こす不調

猫背は見た目の印象だけの問題ではなく、さまざまな不調の要因になり得ます。

まず代表的なのが肩こり・首こりです。頭の重さは体重の約1割ほどあるとされ、頭が前に出るほど首や肩の筋肉には大きな負担がかかり続けます。この筋緊張は緊張型頭痛の一因になることもあります。

次に、呼吸への影響です。背中が丸まり胸郭(肋骨まわり)が閉じると、肺が広がるスペースが制限され、呼吸が浅くなりやすくなります。呼吸の浅さは疲労感や集中力の低下につながることがあります。

さらに、姿勢と自律神経の関わりも指摘されています。浅い呼吸が続くと交感神経が優位になりやすく、心身の緊張状態が続きやすいと考えられています。姿勢を整えて深い呼吸を取り戻すことは、リラックスしやすい状態づくりにもつながります。

ピラティスが猫背改善に効果的な3つの理由

ピラティスが猫背改善に適しているのは、猫背の主要な原因に同時にアプローチできるからです。理由は次の3つです。

ピラティスが胸椎の動き・姿勢を支える筋肉・呼吸から猫背改善を支える理由

理由1:硬くなった胸椎の動きを取り戻せる

猫背の方は、背中の上部(胸椎)が丸まった位置で硬くなっていることが多くあります。ピラティスには背骨を一つひとつ順番に動かすエクササイズが多く含まれており、固まった胸椎の伸展(反らす方向の動き)や回旋の可動性を取り戻すことが期待できます。

理由2:姿勢を支えるインナーマッスルを強化できる

良い姿勢を保つには、腹横筋や多裂筋といった背骨を支える深層の筋肉が働く必要があります。ピラティスはこれらのインナーマッスルを優先的に働かせるよう設計されており、「伸ばした姿勢を保てる体」の土台づくりに向いています。

理由3:呼吸から胸郭を広げられる

ピラティスの胸式呼吸は、肋骨を大きく広げるように行います。閉じた胸郭を呼吸から開いていくことで、巻き肩や浅い呼吸の改善にもつながります。姿勢と呼吸を同時に整えられるのは、ピラティスならではの特長です。

ピラティス全般の効果については「ピラティスの効果」でも詳しく解説しています。

自宅でできる猫背改善エクササイズ3選

スタジオに通えない日でも取り組める、猫背改善のエクササイズを紹介します。痛みが出る場合はすぐに中止してください。

自宅でできる猫背対策の壁エンジェル・うつ伏せ胸そらし・キャットアンドカウ

1. 壁エンジェル(肩甲骨と胸を開く)

壁にかかと・お尻・背中・後頭部をつけて立ち、両腕を「万歳」の形で壁につけます。肘と手の甲を壁から離さないように、腕をゆっくり上下に動かします。10回×2セット。肩甲骨まわりの筋肉を働かせ、巻き肩の改善を促します。

2. うつ伏せ胸そらし(胸椎の伸展)

うつ伏せになり、肘を曲げて手のひらを肩の横に置きます。息を吸いながら、みぞおちから上だけをゆっくり持ち上げ、肩甲骨を軽く寄せます。腰を反らしすぎないのがポイントです。5秒キープ×5回。硬くなった胸椎に伸展の動きを入れます。

3. キャット&カウ(背骨全体をしなやかに動かす)

四つ這いになり、息を吐きながら背中を丸め、息を吸いながら背中をゆるやかに反らせます。背骨を一つずつ順番に動かすイメージで、10回ゆっくり繰り返します。背骨全体の柔軟性を高め、姿勢のリセットに役立ちます。

猫背改善にかかる期間と通う頻度の目安

猫背の改善を目指す場合、週2回・3ヶ月程度の継続がひとつの目安とされています。長年の生活習慣で身についた姿勢のクセは、正しい体の使い方を一定間隔で反復し、体に覚え直させる必要があるためです。

個人差はありますが、継続すると数回のレッスンで「背筋が伸びる感覚」に気づき、約1ヶ月で姿勢への意識の変化、約3ヶ月で見た目の変化を感じ始める方が多い傾向です。頻度の考え方は「ピラティスは週何回が理想?」で、効果を実感するまでの回数は「マシンピラティスの効果は?何回目から変化を実感できるか」で詳しく解説しています。

大切なのは、レッスンの時間だけでなく、日常で正しい姿勢を思い出す回数を増やすことです。デスクワーク中に1時間に1回立ち上がる、スマートフォンを目の高さに近づけるといった小さな習慣も、改善を後押しします。

福岡・姪浜で猫背改善に取り組むなら

Natura(姪浜駅から徒歩3分)は、理学療法士監修のもとプログラムを設計しているコンディショニングスタジオです。猫背といっても原因やタイプは一人ひとり異なるため、最大4〜6名の少人数制レッスンで、インストラクターが個々の姿勢のクセを見極めながら指導します。

姿勢の解説を得意とするSTOTT PILATES FULL認定・保健体育教員免許保有の上村をはじめ、身体の使い方を分かりやすく伝えるインストラクターが在籍。マシンピラティス(リフォーマー)は動きを補助しながら正しいフォームに導いてくれるため、「正しい姿勢の感覚がわからない」という方こそ効果を感じやすい環境です。

体験レッスンは2,200円(税込)から受けられます。ご自身の猫背のタイプを知るところから始めてみませんか。

肩こり・腰痛など症状別のスタジオの選び方は「福岡で肩こり・腰痛・姿勢改善にピラティスを選ぶなら」も参考にしてください。

よくある質問

猫背はピラティスでどのくらいで改善しますか?

個人差はありますが、週2回・3ヶ月程度の継続がひとつの目安です。数回で背筋が伸びる感覚に気づき、約3ヶ月で見た目の変化を感じ始める方が多い傾向です。長年のクセの強さによっても期間は変わります。

ピラティスとストレッチはどちらが猫背に効きますか?

ストレッチは硬くなった筋肉をゆるめるのに有効ですが、姿勢を支える筋力はつきにくい面があります。ピラティスは柔軟性と筋力の両方にアプローチできるため、根本的な猫背改善を目指す場合に適しています。併用も効果的です。

マシンとマットはどちらが猫背改善に向いていますか?

どちらも効果は期待できますが、正しい姿勢の感覚がつかみにくい方にはマシン(リフォーマー)がおすすめです。マシンが動きを補助してくれるため、初心者でも正しいフォームで背骨や肩甲骨を動かしやすいのが特長です。

猫背を放置するとどうなりますか?

肩こり・首こり・頭痛の要因になるほか、胸郭が閉じて呼吸が浅くなりやすくなります。また、丸まった姿勢を体が「普通」として覚えてしまい、年数が経つほど改善に時間がかかる傾向があるため、早めの対策がおすすめです。

デスクワーク中にできる猫背対策はありますか?

1時間に1回は立ち上がって胸を開くように伸びをする、モニターやスマートフォンを目の高さに近づける、深い呼吸を数回行う、といった習慣が有効です。レッスンで学んだ姿勢の感覚を日常で思い出すことが改善の近道です。


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この記事の監修者

坂元 大海(さかもと おおみ) 理学療法士/アークメディカルジャパン株式会社 代表取締役

理学療法士・柔道整復師・鍼灸師の3つの医療系国家資格に加え、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(AT)、MBA(経営学修士)を保有。整形外科での臨床経験を経て、2011年よりアークメディカルジャパン株式会社代表取締役として鍼灸整骨院・ピラティススタジオNaturaを運営。医療・スポーツ・経営の知見を活かし、久留米大学・九州共立大学等での講師や、医療専門職向け学習プラットフォーム「XPERT」の開発責任者も務める。

プロフィール:https://xpert.link/teacher/4/

この記事の執筆者

野﨑 奈緒美 理学療法士、ネバダ州立大学公認マットピラティスインストラクター、STOTT PILATES マット&リフォーマー、全米ヨガアライアンス認定ヨガインストラクター

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迷っている方には、マシンピラティスをおすすめしています。

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